投資をしていると複利運用して、雪だるま式に資産を増やしていきましょうなんてことをよく見聞きしますよね?
こんな風に年数が経過するにつれて増えていくシミュレーション結果を見かけます。
注意が必要なのは、投資では増えるとは限らないってこと。
株価が下がらない前提だと複利で運用すると爆発的に増えていきますが、実際の株式市場は株価は上下します。
毎年のようにプラスを維持していく相場なんてほとんどありません。
逆に株式市場が下がり続けると、損失(含み損)が爆発的に増えていきます。
だから、複利運用のシミュレーションのグラフのように投資していれば増え続けるって考えてるなら、考えは改めましょう。
複利とは?利子が利子を生んでいくこと
複利とは?
複利(ふくり、英: compound interest)や重利(じゅうり)とは、複利法によって計算された利子のこと。複利法とは、元金(がんきん)によって生じた利子を次期の元金に組み入れる方式であり、元金だけでなく利子にも次期の利子がつく。したがって、各期の利子が次第に増加していく。投資や借金などでは、雪だるま式に利子が増えていくことになる。
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複利は元金に利子がつきますが、その利子にもまた利子がつくことです。
複利運用で雪だるま式に資産が増えるには条件があって、株価が上昇しているときのみ増えます。
預貯金ではマイナスになることはないので複利運用できるけれども、今となっては金利が低すぎるので爆発的には増えていきません。
昔のように金利が7%とかあった時代なら、あのグラフがそのまま当てはまっていました。
株価が上昇し続けるなんてあり得ないので、よく見かけるシミュレーション結果のように右肩上がりでキレイに資産が増え続けるというのは嘘といえますね。
実際に投資している人はわかると思うけど、米国株のように長い期間で見れば上げ下げしながらも緩やかな右肩上がりで増えていくと考えた方が幻滅しないですみます。
投資は長い目で見れば増える可能性が高く複利効果が期待はできるけど、続けないと意味がない
最近はNISAやiDeCo(イデコ)などを取っ掛かりとして投資を始める人が増えてきました。
つみたてNISAとか、イデコって投資信託を積み立てしていくことになるので、さきほどの複利効果が強調されたシミュレーションのグラフをよく目にするんです。
しかもですよ、投資信託の積み立てで年率7%で20年や30年間増え続けていくようなグラフをみると、いやいやそんなにうまくいかないでしょって思ってしまいます。
確かに米国株の指数だけを見れば、年率7%で増え続けることは不可能ではなさそうな感じはしますけど、実際に自分のお金で20年や30年も投資を実践していくのは簡単ではないです。
絶対に途中で株式市場が低迷する時期があるから、長期間投資を継続するのは想像以上に難しいですよ。
複利効果で雪だるま式に増えていくグラフは投資をはじめる人を呼び込む材料にはなる
右肩上がりで資産が増えていくシミュレーション結果を見ると、投資したくなりますよね。
投資する人は増えることを前提で始めるので、資産が増え続けると勘違いするグラフはとても魅力的です。
でも、実際に投資を始めてみると、資産が増え続けるわけでもないし、投資元本が少なければ複利効果があったとしても雪だるま式に増えた!なんて思えないでしょう。
複利効果で増えるどころか含み損が増大する時期もある
2000年から2009年までの10年間米国株のSPY(S&P500に連動するETF)を積み立てした結果です。
この時期に積立していると、10年間積み立てを継続して分配金も再投資しているのに増えてないという結果になってます。
複利運用したときの資産が倍増するグラフとは大違いですよね?
株式投資は元本保証ではないので、シミュレーションどおりにはいきません。
運が悪ければ、含み損の期間も長くなるってことを知った上で投資を始めるのがよいです。
複利効果で資産倍増している時期もあるから投資は継続する必要がある!
10年積み立てしても複利効果で資産が増大するどころか、逆に減っていた時期を乗り越えた投資家は次の10年で資産を激増させたことがわかるグラフです。
複利効果を実感できるレベルにまで資産が増えていることがわかります。
投資のグラフって切り取る時期によって、全然違う結果になるんですよね。
言いたいのは、いつもいつも複利効果で資産が増えるわけでもないし、含み損で辛い時期が長く続く可能性もあるってことを知った上で、長期投資することが大事だよってことです。
投資での複利運用についてのまとめ
積み立て投資などで複利運用して資産が増え続けるグラフは、あくまでも株価が上昇することを前提としたものなので実際の投資では資産が増え続けることはありえません!
長い目でみれば、複利運用で資産が増える可能性はかなり高いですが、短期的には損失を出すこともあります。
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