2019年に発表された年金だけだと老後2000万円不足する問題の影響からか、資産運用をはじめる人が増えてきています。
日本人は欧米人と比べて貯蓄を好みますから、資産運用をする人はあまりいないという印象を持っています。
ここ数年は株式市場も好調ですし、資産運用をしている人としていない人では資産の増え方が圧倒的に違うでしょう。
まだ資産運用を開始していないなら、早く始めましょう!
それに、国もiDeCo(イデコ)やNISAなどの制度を設けて老後の資産作りを推奨していますから、利用しない手はありません。
- つみたてNISAと一般NISAとの違い
- 一般NISAでの配当金は非課税になるが注意点がある
- つみたてNISAと一般NISAの併用は可能なのか
- つみたてNISAと一般NISAはどちらが得なのか
本記事では、これらのことを順に解説していきます。
つみたてNISAと一般NISAの違い
つみたてNISAと一般NISAは何が違うのでしょうか。
ひとつずつ解説していきます。
つみたてNISAと一般NISAでは投資期間が違う
つみたてNISAと一般NISAでは投資期間(非課税の期間)が違います。
つみたてNISAは20年、一般NISAは5年です。
つみたてNISAと一般NISAでは1年間の投資額が違う
つみたてNISAと一般NISAでは投資額も違います。
つみたてNISAは年間の上限金額が40万円、一般NISAは120万円です。
つみたてNISAと一般NISAではロールオーバーについて違いがある
つみたてNISAにはロールオーバー(翌年の非課税投資枠に移すこと)ができません。
20年経過して売却しない場合は、NISA以外の課税口座へ払い出されます。
一般NISAの非課税期間は5年ですが、ロールオーバーすることで最高10年間非課税にすることが可能。
ただし、6年目のNISAの投資額は120万円からロールオーバーした分が引かれてしまうので、新規投資できる金額は減ることになります。
つみたてNISAと一般NISAでは投資対象が違う
つみたてNISAは名前のとおりに金融庁の指定した投資信託の中から好きな投信を選んで積立していく口座です。
だから、個別株に投資することはできません。
一方で、一般NISAはつみたてNISAに比べて自由度が高いです。
日本や米国の個別株に投資もできますし、投資信託の積立も可能になります。
つみたてNISAのメリットとデメリット
つみたてNISAのメリットとデメリットについて考えてみます。
メリットばかりが強調されがちですが、デメリットもありますよ。
つみたてNISAのメリット
つみたてNISAのメリットは何といっても、非課税期間が20年と長いことでしょう。
20年間も非課税期間がありますので、コツコツと積立した場合はそれなりに大きな利益になることを期待できます。
つみたてNISAのデメリット
つみたてNISAのデメリットは2点あります。
1点目のデメリットは投資商品が限定されること。
金融庁が認めた投資商品(投資信託とETF)にしか積立することができません。
個別株投資したい場合は一般NISAを選ぶしかないんです、、、。
2点目のデメリットは損失が出た場合の救済措置がないこと。
その他の資産との損益通算することもできませんし、損失を翌年以降の利益と相殺することもできません。
一般NISAのメリットとデメリット
一般NISAのメリットとデメリットについて考えてみます。
つみたてNISAが開始されてからは一般NISAを利用している人は少なくなったのかもしれませんが、個別株投資をしたい人は一般NISAを利用する必要があります。
一般NISAのメリット
一般NISAのメリットは2点あります。
1点目は投資対象が多いこと。
日本や米国などの個別株をはじめ、ETFや投資信託など選択肢が非常に多いです。
2点目は非課税額が120万円と多いこと。
つみたてNISAは年間投資額が40万円ですからね。
一般NISAのデメリット
一般NISAのデメリットは2点あります。
1点目のデメリットは非課税期間がつみたてNISAに比べて短いこと。
5年しか非課税期間がありません。ロールオーバーしたとしても最高で10年ですから。
2点目は一般NISAのデメリットもつみたてNISAのデメリットと同じで損失を出した時の救済措置がないことです。
その他の資産との損益通算することもできませんし、損失を翌年以降の利益と相殺することもできません。
NISA口座で損失が出た場合は本当に悲劇、、、
【要注意】一般NISAで配当金を非課税にする方法
一般NISAでは個別株投資する人が多いと思いますが、きちんと配当金は非課税になっていますか?
設定を間違っていると、配当金が非課税になりません!
一般NISAで配当金を非課税にするには、配当金の受領方法を『株式数比例配分方式』に設定して、NISA口座内に振り込まれるように設定しなければ課税されてしまいます。
ただし、配当金が非課税なのは国内だけであって、米国株などであれば現地では課税されます。
通常は米国株の配当金は現地で課税され、そこからさらに日本で課税されるのですが、NISA口座内では現地の課税のみで国内の課税はありません。
NISA口座では配当金の受領方法を『株式数比例配分方式』に設定することを忘れないでくださいね!
つみたてNISAと一般NISAの併用は可能なのか
つみたてNISAと一般NISAの併用はできません。
口座を開設できるのはどちらか一方のみなので、よく考えてから口座を開設しましょう。
ただし、1年ごとに口座は移行できるので、一般NISAで投資してみたけど合わなかったからつみたてNISAに変更したい場合でもちゃんと変更できるので、その点は安心してください!
つみたてNISAと一般NISAはどちらが得なのか
つみたてNISAと一般NISAと、どっちが得になるのでしょうか。
どっちが得になるかは人によるとしか言えませんよね。
NISA口座でも個別株投資したいという人には一般NISAにする必要があるし、できるだけ長期投資したい人であれば非課税期間が20年もあるつみたてNISAがおすすめです。
また、投資資金も関係してきます。
年間120万円も準備できないというのであれば、つみたてNISAを選びましょう。
お金がより増える可能性があるのは一般NISA
どちらの方がお金が増える可能性が高いのか?を考えると、個別株投資ができる一般NISAの方がより多くの利益を得られる可能性は高いです。
でも、銘柄選びのスキルや売買のタイミングなどが必要なので誰にでもできることではありません。
投資初心者であれば、つみたてNISAを選んだ方が無難です。
最初に積立する商品を決めてしまえば、あとはたまにメンテナンス(リバランス)してあげるだけでいいので手間がかかりません。
投資に時間を割けない、割きたくない人には、つみたてNISAがおすすめです。
つみたてNISAを利用するときの注意点
つみたてNISAにする場合に気を付けたいのが、積立はしっかりと継続するということ。
初心者にありがちなことですが、大切なことなので書いておきます。
運用が上手くいっている(含み益が増えてくる)ときはしっかりと積立を継続できるけれども、運用が上手くいかない時も絶対にあります。
含み益が含み損に転落するなんてこともあるでしょう。
含み損の期間が長く続くと、投資意欲も普通はなくなってきてしまうんですよね。
含み損が増えてきて辛い時でも、積立すると決めたなら途中で止めないことが大切なんです。
投資信託について勉強した人ならわかると思うんですけど、値下がりしているときの方が投資信託をたくさん買えるので、口数※が増えます。
すると、値下がりしたときにしっかりと口数を増やしておくことで、値上がりしたときの利益は増えますよ。
※口数とは投資信託の取引単位のこと。
※額面が1口=1円の投資信託が多く、毎月同じ金額だけ積立しても投資信託の基準価額が下がれば購入する口数は増えます。
含み損だらけの時は気弱になってしまいますが、積立はやめないでくださいね。
つみたてNISAと一般NISAの違いについてのまとめ
つみたてNISAと一般NISAについての違いについて解説しました。
簡単にまとめると下記の表のようになります。
つみたてNISA | 一般NISA | |
---|---|---|
年間投資額上限 | 40万円 | 120万円 |
非課税期間 | 20年 | 5年 |
投資可能期間 | 2018年~2042年 | 2014年~2023年 2024年からは新NISA |
ロールオーバーの可否 | 不可 | 可 |
また、つみたてNISAと一般NISAの併用はできません。
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